寄与分 制度の概要
弁護士 幡野真弥
相続人の中に、被相続人の財産の維持または増加について特別の寄与をした相続人がいる場合は、その寄与の程度を考慮して、その相続人に対して、特別に、相続財産への持ち分が認められます。
この持ち分のことを寄与分と言います。
寄与は、被相続人の財産の維持・増額に寄与する行為でなければなりません。
その類型は、以下のものがあります。
①被相続人の事業に関する労務の提供
②被相続人の事業に関する財産上の給付
③被相続人の療養看護
④その他の方法
寄与行為は、「特別」といえる寄与でなければなりません。つまり。親族として通常期待されるレベルの行為では、寄与にあたりません。
また、寄与行為により、被相続人の財産が増加したり、あるいは、財産の減少を防止した行為である必要があります。
寄与分は、共同相続人間の協議で定めますが、協議が調わない場合や協議ができないときは、家庭裁判所の調停や審判で定められます(904条の2第2項)。